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断熱材を真剣に考える

住宅の断熱材についていつも考えては、何が一番か答えが出ずにいます。

今は価格と施工でのこだわりを入れて考えると従来から使用されているグラスウールの断熱材に至るのですが、本来使用出来たら良いのは自然に還る素材で断熱性能が良いもの、しかしコストが重要な課題です。

 

吹き付け断熱材の発泡ウレタン断熱材は隙間がないよう発泡ウレタンを吹き付ける方法ですが、構造である木の柱などにも発砲ウレタンつまりプラスチックを密着させてしてしまいます。

木は呼吸できなくなり、木の持つ特性の吸放湿効果はここで断絶されます、木の家を建てる山千にとっては悲しいことになります。100年後の未来の廃棄を考ると、燃やすことができる木からプラスチックを剥がす作業、もしくは分別せずに産廃となります。

これが山千が吹き付発泡ウレタンの断熱材を使用しない理由です。

 

セルロースファイバーと言って新聞紙や木材のリサイクル断熱材は自然素材と言われますが、吹き付けする際にセレラップの施工が必要なことを考えたら本当に自然素材かは考えてしまいます。

経年後の沈下も心配な要素です。

 

うんちくを色々考えた結果、今は木質繊維の断熱材であるドイツ製シュタイコのフレックスマット状のものが、一番良い断熱素材であると思います。(羊毛の断熱材も最高ですがコストが高すぎます。)

日本で製作されていた木質繊維の断熱材はコストが原因で撤退していき日本製を使用することはできません、シュタイコはドイツから空輸する運送費などでとても費用の高い断熱材です。

シュタイコの中には吹き付け用のゼルというものがありますが、理屈はセルロースと一緒でセレラップのような不織布のシートを貼らなくてはならず、これもやっぱりプラスチックを使用することになります。

(どうしても害虫駆除に必要な薬剤のホウ酸が含まれますが、セルロースの何十倍もホウ酸の使用量は少ないという情報を聞いています。)

 

壁の断熱材にマット状のフレックスがとても気に入った山千ですが、床用、屋根用断熱材である硬質系木質繊維の断熱材の使用方法にかなり悩みます。

 

ただ費用を出すのはお客様なので建築費用はかなり高くなってしまう断熱材をごり押しはできません。

拘って自然素材を使用したいお客様はご相談ください。